【徳川家治の生涯】10代目は何をした人?才能を見抜くお任せ政治をサクッと解説!

徳川家治(とくがわ いえはる)は、江戸幕府の10代目将軍として約27年間の長い治世を担いました。家治の時代は、江戸幕府が安定期にあったため、大きな戦や混乱は少なかったと言えます。

しかし、その一方で家治自身は積極的に政治を動かすことはなく、主に側近や老中に任せるスタイルを取っていました。特に注目すべきは、家治が老中の田沼意次(たぬま おきつぐ)を登用し、商業を重視した政策を展開させたことです。

こうした家治の治世は、後の幕府にとって重要な影響を残すこととなりました。今回は、そんな徳川家治の生涯と彼の時代に何が行われたのかを、サクッと簡単に解説していきます!

目次

10代将軍 徳川家治の生涯年表

徳川家治
出典:ウィキメディア・コモンズ

まずは、家治の生涯を年表で見ていきましょう。

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年齢出来事
1737年0歳江戸城で誕生。父は9代将軍・徳川家重、母は側室・お楽の方。
1747年10歳10歳で元服し、「家治」と名乗る。
江戸幕府の将軍世子となり、将軍継承者としての教育を受ける。
1760年23歳父・家重の死去により、徳川家治が10代将軍に就任。
家重の遺志を引き継ぎ、幕府の安定を目指す。
1767年30歳老中・田沼意次を登用し、幕府政治の実権を委ねる。
田沼が商業や貨幣経済を重視した政策を展開する。
1782年45歳『天明の大飢饉』が発生。全国的な飢饉により、多くの庶民が苦しむ。
幕府は救済策を講じるが、被害を抑えきれず。
1786年49歳江戸城で死去。跡を継いだのは、11代将軍・徳川家斉

徳川家治が何をしたのか

徳川家治の時代は、江戸幕府の歴史の中で比較的安定していた時期とされています。家治自身は、将軍として積極的な政治を行ったわけではなく、老中や側近たちに政治の実務を委ねていました。その中でも、彼の治世に起きた重要な出来事を見ていきましょう。

田沼意次の登用と政治の動き

家治の治世における最大の特徴は、老中・田沼意次(たぬま おきつぐ)の登用です。田沼意次は、商業を重視した政策を行い、幕府財政の立て直しに力を注ぎました。田沼時代の政策は、後に「田沼時代」と呼ばれ、経済を活性化させる一方で、さまざまな問題も引き起こしました。

商業の奨励と経済政策

田沼意次は、幕府の収入を増やすため、商業の奨励や貨幣の発行を進めました。特に、銅や金などの鉱山の開発や、江戸の商人たちに対する融資を拡充し、幕府の収益を確保しようとしました。また、株仲間(かぶなかま)の設立を奨励し、商人たちの活動を活発にすることで、経済の活性化を図りました。

しかし、これらの政策は商業の発展を促す一方で、幕府の権力者や商人の間に癒着が生まれ、賄賂や汚職が横行する原因ともなりました。このため、田沼政治には賛否両論があり、家治の治世の評価にも影響を与えています。

天明の大飢饉への対応

家治の治世中に起きた最大の自然災害が、「天明の大飢饉(てんめいのだいききん)」です。1782年から1787年にかけて、異常気象や火山の噴火が続き、全国的な飢饉が発生しました。この飢饉により、多くの庶民が餓死し、農村は大打撃を受けました。

幕府の対応と限界

天明の大飢饉に際して、幕府は各地に米の備蓄を放出し、被災者の救済に努めました。しかし、飢饉の規模があまりに大きかったため、十分な対策を講じることができませんでした。この飢饉は、幕府の統治能力に疑問を投げかけ、庶民の生活に大きな影響を与えることとなりました。

家治の統治スタイルと影響

徳川家治の統治スタイルは、積極的な政治よりも周囲の家臣たちに政治を任せる形が強かったと言われています。彼は、田沼意次の登用をはじめ、側近たちの意見を尊重し、幕政を運営していました。

積極性の欠如と幕府のゆるやかな衰退

家治自身の積極性の欠如は、ある意味で幕府の安定を維持するためのものでした。しかし、その一方で、時代の変化に対応するための改革が進まなかったため、幕府の統治力の衰えを招く原因ともなりました。

まとめ:徳川家治のすごさとは?

徳川家治は、自ら積極的に政治を動かすことは少なかったものの、田沼意次の登用や商業の奨励など、江戸幕府の安定と経済発展に一定の影響を与えました。また、彼の時代に起きた天明の大飢饉への対応は、幕府の統治力の限界を示すものであり、後の時代への課題を残しました。

家治の時代は、後に続く江戸時代後半の変革への布石となったといえるでしょう。サクッと解説した通り、家治の治世は、幕府の安定期であると同時に、そのゆるやかな衰退の始まりでもあったのです。

参考文献

  • 日本大百科全書(小学館)
  • ブリタニカ国際大百科事典
  • 『徳川家治と田沼時代の政治』
  • 『江戸時代の経済と政治』
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