海外ドラマ『lost』シーズン5完全ガイド|全話あらすじネタバレ&登場人物相関図

※本記事は海外ドラマ『LOST』シーズン5の全話あらすじをネタバレありで解説しています。
未視聴の方はご注意ください。

シーズン4では、ついに一部の生存者が島を脱出し、物語は大きな転換点を迎えた。しかしその結末は「脱出=解決」ではなく、むしろ新たな謎と悲劇の始まりだった。

島を離れた“オーシャニック6”は世間から英雄として迎えられる一方で、島に残された者たちは過酷な運命に翻弄される。そして何より、ベンが島を動かしたことで発生した異常現象は、島そのもののルールを大きく変えてしまった。

シーズン5は、その直後から物語が始まる。島に残った者たちは時間の流れから切り離され、過去と未来を行き来するという想像を超えた状況に置かれる。一方、島を脱出した者たちは「島を離れたままでは生きられない」という現実に直面し、再び島へ戻る選択を迫られていく。

シーズン4で提示された数々の疑問――島とは何なのか、なぜ彼らは選ばれたのか、そして“戻らなければならない理由”とは何なのか

本シーズンでは、それらの問いに対して明確な方向性が示され、物語は最終章へ向けて一気に加速していく。

  • シーズン5全話のあらすじ(ネタバレあり)
  • シーズン5で回収される謎・新たに生まれる謎
  • フラッシュフォワードから「時間の分断」へ

シーズン5では、従来のフラッシュバックやフラッシュフォワードという枠組みが崩れ、登場人物たち自身が“過去と未来を生きる存在”となる。時間は振り返るものではなく、物語の舞台そのものへと変化した。

目次

『LOST』シーズン5 基本情報

『LOST』シーズン5は、2009年1月21日から5月13日までアメリカのABCで放送された。
全17話で構成され、物語はいよいよシリーズの核心へと踏み込んでいく。

シーズン5では物語の軸そのものが大きく変化する。
これまで断片的に示されてきた島の異常性が、時間や因果関係という形で明確に表面化し、「過去・現在・未来」が同時に交錯する構造が物語の中心となっていく

登場人物たちは単に島で生き延びるのではなく、自らの行動が歴史や運命にどのような影響を与えるのかという、より根源的な選択を迫られることになる。

シーズン4で島が“動いた”ことにより、生存者たちはこれまでとはまったく異なる状況に置かれる。

本シーズンでは「島に残った者たち」と「島を離れた者たち」、それぞれの運命が複雑に絡み合いながら進行し、島の過去と現在が直接結びついていく

シーズン5をより楽しむためのポイント

シーズン5をより楽しむためのポイント

  • 島を襲う時間跳躍:島に残った生存者たちは、意志とは無関係に過去と現在を行き来する。
  • 「必ず起きる出来事」という概念:登場人物たちは未来を変えようと行動するが、その行動自体が歴  史を完成させてしまう可能性が示唆される。
  • 島へ戻る理由:島を脱出した者たちは、それぞれの人生が崩壊していく中で「戻らなければならない理由」に気づいていく。

登場人物

オーシャニック6(島を脱出した者)

島に残った生存者

他のものたち

ウィドモア産業

科学調査チーム(1988年)

ダーマ・イニシアティブ(1970年代)

他のものたち(1954年)

その他の登場人物

シーズン5 各話あらすじ【全話ネタバレ詳細】

※以下はネタバレを含む詳細解説です。物語の核心に触れています。

No.

「責めを負う者(Because You Left)」

島が動いた直後、島に残された生存者たちは突如として不規則な時間移動現象に巻き込まれる。彼らの意思とは無関係に、島全体が過去と現在を行き来し、そのたびに周囲の環境や人々の姿が一変していく

ソーヤー、ジュリエット、ジン、ダニエル、シャーロット、マイルズたちは、ある時代では墜落直後のビーチに現れ、またある時代ではダーマ・イニシアティブ以前の島へと飛ばされる。時間移動は予測不能で、いつ・どこに飛ばされるのか誰にも分からない状態だった。

一方、島を脱出した側では、ジャックとベンが行動を開始する。ベンは「島に戻るためには、オーシャニック6が全員そろわなければならない」と語り、ジャックに協力を求める。ジャックは次第にベンの言葉を信じ、再集結に向けて動き出す。

ハーリーとサイードは、ロサンゼルスにある隠れ家で何者かに待ち伏せされ、命を狙われる事件に遭遇する。二人は背後で何か大きな力が動いていることを察するが、その正体はまだ分からない。

ケイトはアーロンと共に生活していたが、突然現れた弁護士からDNA検査を受けるよう命じられる。アーロンの出生に疑念を持ったケイトは、検査を拒否し、アーロンを連れて家を出る決断をする。

サンは、島を動かしたベンに強い怒りを抱き、彼の父ウィドモアと面会する。サンはウィドモアに対し、ベンを殺すという取引を持ちかけ、復讐への道を歩み始める。

ラストでは、時間移動の中でシャーロットが激しい頭痛と記憶の混乱に襲われる。ダニエルは、この現象が生存者たちに致命的な影響を与える可能性があることを示唆し、島で起きている異常が単なる事故ではないことが明らかになる。

第1話のポイント

  • 島が動き、生存者が不規則な時間移動に巻き込まれる
  • ベン主導でオーシャニック6再集結が始動
  • サンが復讐のためウィドモアと接触
No.

「嘘(The Lie)」

島の外では、ハーリーとサイードが警察から追われる身となる。

二人は前話の襲撃事件の容疑者としてマークされ、自由に行動できない状況に追い込まれていく。逃亡の中で、オーシャニック6がついてきた嘘が、現実世界で徐々に綻び始めていることが明らかになる。

追い詰められたハーリーは、ついに母親に対して「オーシャニック6の物語は嘘だった」ことを告白する。墜落事故の真実と島で起きた出来事を語るハーリーの告白は、6人が背負ってきた罪と重圧を象徴する場面となる。

一方、島に残った生存者たちは、時間移動の合間に正体不明の武装した男たちから襲撃を受ける。彼らは島の異変を利用して行動しており、生存者たちは安全な場所を確保することすらできない状況に追い込まれる。

ベンは、島の異常が永遠に続くわけではないこと、そしてオーシャニック6を島に戻すために残された時間が「70時間」しかないことを知る。この制限時間の存在により、物語は明確なカウントダウン構造へと突入する。

エピソードの終盤では、島の時間移動がさらに激化し、生存者たちは次にいつ、どの時代へ飛ばされるのか分からないまま行動を余儀なくされる。島と外の世界、双方で“嘘”が限界に近づいていることが強調される回となっている。

第2話のポイント

  • ハーリーとサイードが警察に追われる
  • オーシャニック6の嘘が崩れ始める
  • 島へ戻るまでの猶予が70時間と判明
No.

「ジャグヘッド(Jughead)」

島の外では、デズモンドがダニエル・ファラデーの依頼を受け、彼の母親を探すため行動を開始する。

手がかりを求めてチャールズ・ウィドモアに接触したデズモンドは、ファラデーの母親が現在ロサンゼルスにいることを知らされる。時間に関わる鍵を握る人物の存在が、徐々に明らかになっていく。

一方、島に残った生存者たちは、再び大きな時間跳躍に巻き込まれ、1954年の島へと飛ばされる。そこは「他のものたち」がまだ表立って活動していた時代であり、武装した彼らに生存者たちは拘束されてしまう。

この時代でロックは、若き日のリチャード・アルパートと対面し、自分たちが未来から来た存在であることを打ち明ける。ロックの告白は、後の島の歴史に大きな影響を与える重要な瞬間となる。

同じ頃、ダニエル・ファラデーは、島に持ち込まれた水素爆弾「ジャグヘッド」の解体を手伝わされることになる。ファラデーは爆弾の存在が島の未来に深く関わっていることを理解しつつも、その危険性を完全には止められない。

過去の島で起きる出来事が、未来の運命を形作っていることが強く示され、シーズン5のテーマである「時間と因果関係」が明確に打ち出されるエピソードとなっている

第3話のポイント

  • デズモンドがダンの母の居場所を知る
  • 生存者が1954年の島へ時間跳躍
  • 水素爆弾「ジャグヘッド」が登場
No.

「リトル・プリンス(The Little Prince)」

島に残った生存者たちは、オーキッド・ステーションを目指して移動を続ける中で、再び大きな時間跳躍に巻き込まれる。彼らが飛ばされたのは、アーロンが生まれた日――シーズン1終盤の時代だった。かつての自分たちの姿や出来事を遠くから目撃しながらも、干渉できない状況が、時間移動の残酷さを強く印象づける。

一方、別の時間に飛ばされたジンは、1988年の島でダニエル・ルソー率いる科学調査チームに発見される。ルソーと直接関わることで、これまで断片的に語られてきた島の過去が、生存者たちの視点と結びついていく。

2007年の世界では、ジャック、ケイト、サイードがベンと再会する。ここでケイトは、自分とアーロンに弁護士を送り込んだのがベンだったことを知り、彼が裏で事態を操作していた事実に直面する。ベンの行動は、オーシャニック6を再び島へ戻すための布石だった。

過去と現在、島と外の世界が同時に描かれ、時間移動によってすべての出来事が一つの線につながっていることが強調される回となっている。

第4話のポイント

  • 生存者がアーロン誕生の日へ時間跳躍
  • ジンが1988年でルソーの調査隊と遭遇
  • ベンがケイト親子を操っていたことが判明
No.

「死の島(This Place Is Death)」

1988年の島では、ジンとダニエル・ルソーの科学調査チームがラジオ塔を目指して移動する途中、煙のモンスターに襲撃される。チームは次々と命を落とし、島の危険性と狂気がより鮮明に描かれる。一連の出来事は、後にルソーが語っていた過去と一致するものだった。

その後、時間跳躍によってジンはロックたちと再会し、島に残された生存者たちは再び合流する。しかし時間移動は止まらず、島に留まり続けること自体が致命的な状況になっていく。

シャーロットは激しい頭痛と記憶障害に苦しみ、死の間際に「自分は島で育った」と告白する。彼女の言葉は、島が人々の人生に深く関わってきたことを示す重要な証言となる。

事態を終わらせるため、ジョン・ロックはオーキッド・ステーションの冷凍室へ向かい、再びホイールを回す決断を下す。その結果、島の時間跳躍は止まり、ロック自身は島から外の世界へと放り出される

島の外では、ベンがジャックとサンをファラデーの母親であるエロイーズ・ホーキングのもとへ連れて行く。そこにデズモンドも現れ、島・時間・運命をめぐる物語が一つに収束し始める。

第5話のポイント

  • 1988年でルソーの過去と悲劇が描かれる
  • シャーロットが島で育ったことを告白し死亡
  • ロックが再びホイールを回し島を離れる
No.

「316(316)」

エロイーズ・ホーキングは、オーシャニック815便と同じ条件を再現することが、島に戻る唯一の方法だと語る。そのためには特定の人物と“代理となる存在”が必要であり、ジョン・ロックの遺体もその一部だと明かされる。

ジャック、ケイト、ハーリー、サン、サイード、ベンは、フランク・ラピーダスが操縦するアジラ航空316便に搭乗する。ロックの棺も積み込まれ、誰もが不安を抱えたまま離陸する。

飛行中、突如として機内は強烈なフラッシュに包まれる。意識を失った後、ジャック、ケイト、ハーリーは島に戻っており、そこで生存していたジンに発見される。一方、他の搭乗者たちは別の運命を辿ることが示唆される。

第6話のポイント

  • 島に戻るためには815便の再現が必要
  • ロックの遺体が“条件”として使われる
  • オーシャニック6が再び島へ戻る
No.

「ジェレミー・ベンサムの生と死(The Life and Death of Jeremy Bentham)」

島では、アジラ316便の墜落後、死んだはずのジョン・ロックが突如として姿を現す

生存者たちは戸惑いながらもロックを問いただし、やがて彼が本当に“戻ってきた”存在であることを受け入れ始める。ロックは島をさまよう中で、重傷を負ったベンを発見する。

フラッシュバック(ロック)

物語は島外でのロックの行動をフラッシュバックで描く。ロックは島を離れた後、自分が「戻るために選ばれた存在」だと信じ、オーシャニック6を島へ連れ戻す使命を果たそうとする

彼はチャールズ・ウィドモアやマシュー・アバドンの協力を得て、ジャック、ケイト、ハーリー、サンらのもとを訪れるが、その訴えは理解されず、次第に追い詰められていく。絶望の末に死を選ぼうとしたロックの前にベンが現れ、彼はベンの手によって殺害される。

この出来事により、「島に戻ってきたロック」が何者なのかという、新たな謎が強く浮かび上がる。

第7話のポイント

  • 死んだはずのロックが島に現れる
  • 島外でのロックの必死な行動が描かれる
  • ロックはベンに殺されていたことが判明
No.

「ラフルア(LaFleur)」

時間移動現象が終息した後、島に残された生存者たちは1974年の過去に取り残される。彼らは「他のものたち」に捕らえられていたダーマ・イニシアティヴの女性エイミーを救出し、その過程でダーマの存在と深く関わることになる。

ソーヤーは機転を利かせて「ラフルア」という偽名を名乗り、仲間たちはダーマ・イニシアティヴの一員として島で生活を始める。以降3年間、彼らは1970年代の島で比較的安定した日々を送ることになる。

その間、ジュリエットはエイミーの出産を手伝い、島での医師としての役割を確立する。一方でソーヤーとジュリエットは恋愛関係となり、新たな人生を築いていく。

そして3年後、アジラ316便で戻ってきたジャック、ケイト、ハーリーが島に現れ、過去に取り残された者たちと再会することで、止まっていた運命の歯車が再び動き始める。

第8話のポイント

  • 生存者たちは1974年に取り残される
  • ダーマに合流し3年間を過ごす
  • ソーヤーとジュリエットが結ばれる
No.

「ナマステ(Namaste)」

1977年の島では、ソーヤーがダーマ・イニシアティヴ内部で影響力を持ち、秩序を保つ立場に就いている。突如として現れたジャック、ケイト、ハーリーについても正体を隠したままダーマに迎え入れるよう手配し、事態の混乱を最小限に抑えようとする。

一方、サイードはジンによって発見されるが、ダーマ関係者から「他のものたち」の一員だと誤解され、拘束・投獄されてしまう。彼の過去と能力は、ダーマ内部に不信と緊張を生み出す。

2007年では、アジラ316便の墜落後、サンとフランク・ラピーダスが島を探索する中で、クリスチャン・シェパードと遭遇する。

彼から、他の生存者たちは現在ではなく“過去の島”に取り残されていることを知らされ、島が依然として複数の時間軸に分かれている事実が明らかになる

第9話のポイント

  • 1977年でジャックたちがダーマに合流
  • サイードが誤解され投獄される
  • 島が時間的に分断されていると判明
No.

「理由(He’s Our You)」

1977年の島では、サイードがソーヤーの提案に協力せず、ダーマ・イニシアティヴ内部で緊張が高まる。住民による投票の結果、サイードは「他のものたち」である可能性を理由に処刑されることが決定される。

処刑を目前にしたサイードは、当時12歳で「他のものたち」に強い憧れを抱いていた少年ベンによって牢から解放される。ベンはサイードに共感し、彼を救おうと行動を起こすが、その直後、サイードはためらいの末にベンを撃ってしまう。

この行為は、後に島を支配する存在となるベンの運命を大きく歪める決定的な出来事として描かれる

フラッシュバック(サイード)

フラッシュバックでは、島外でのサイードの行動が描かれる。彼は賞金稼ぎのイラーナに捕らえられ、グアムへと連行される。サイードが再び島へ戻る流れが、静かに示唆される。

第10話のポイント

  • ダーマがサイードの処刑を決定
  • 少年ベンがサイードを解放する
  • サイードがベンを撃つ
No.

「未だ見ぬ過去(Whatever Happened, Happened)」

1977年、銃で撃たれた少年ベンの治療を試みるジュリエットだったが、ダーマの設備では命を救えないことが明らかになる。ジャックは「歴史を変えてはいけない」と考え、治療への協力を拒否する。

ベンを救いたい一心で、ケイトは密かに「他のものたち」のもとへ向かう。リチャードはベンを治すことは可能だと語るが、その代償として「彼は以前の自分ではなくなり、純真さを失う」と説明する。それでもケイトは治療を選択し、ベンは他のものたちのもとへ連れて行かれる。

フラッシュバック(ケイト)

フラッシュバックでは、島外でのケイトの選択が描かれる。ケイトはアーロンをクレアの母親に預け、母親としての役割を手放した上で、島へ戻る決心を固める。

この出来事は、ベンの人格形成と、時間は変えられないという島のルールを強く印象づける回となる。

第11話のポイント

  • ベンを救うため他のものたちに託す
  • 治療の代償として純真さが失われる
  • ケイトがアーロンを手放し島へ戻る決意
No.

「島の裁き(Dead Is Dead)」

2007年、ベンは娘アレックスを死なせた罪の裁きを受けるため、煙のモンスターに会う決意をする。サンやロックと共に本島へ向かい、ベンは自らの過去と向き合う覚悟を固める。

一方、フランク・ラピーダスはハイドラ島へ戻るが、そこに残っていたアジラ316便の生存者たちに捕らえられてしまう。島は依然として分断され、それぞれが異なる脅威に直面している。

フラッシュバック(ベン)

物語は二つのフラッシュバックでベンの過去を描く。1980年代後半、ベンは幼いアレックスを誘拐し、彼女を自分の娘として育てる選択をしたことが明かされる。また2007年には、316便に搭乗する直前のベンがペニーとデズモンドと会い、自分が進もうとしている道の重さを自覚していたことが描かれる。

ベンは煙のモンスターの前で自らの罪を告白し、島が人を裁く存在であることが改めて示される回となる。

第12話のポイント

  • ベンが煙のモンスターの裁きを求める
  • アレックス誘拐という過去が明かされる
  • 島が人を裁く存在であると示される
No.

「父という存在(Some Like It Hoth)」

1977年の島では、少年ベンの失踪に父ロジャーが気付き、疑いの目をケイトへ向け始める。ダーマ・イニシアティヴ内部には不穏な空気が流れ、ジャックたちの立場も徐々に危うくなっていく。

一方マイルズは、スワン・ステーション建設現場で発生した事故により死亡した作業員の遺体を、チャン博士のもとへ運ぶ任務を命じられる。その過程で、チャン博士こそが自分の実の父親である可能性に気付き、過去と向き合うことになる。

フラッシュバック(マイルズ)

フラッシュバックでは、マイルズが死者と会話できる能力を持っていることを自覚した経緯が描かれる。彼はその能力を利用して金を稼ぐようになり、やがて貨物船に乗って島へ向かう仕事に雇われる。

この回は、マイルズの能力と家族関係が明確になり、島で起きている出来事が“親から子へ受け継がれる因果”であることを強く示すエピソードとなっている。

第13話のポイント

  • ロジャーがベン失踪に気付き疑念が広がる
  • マイルズが父チャン博士の存在を知る
  • マイルズの能力と島行きの経緯が描かれる
No.

「変数(The Variable)」

1977年、ダニエル・ファラデーは未来で起こる大惨事を防ぐため、スワン・ステーションの危険性を住民に警告しようと島へ戻る。彼はこれまで信じてきた「時間は変えられない」という考えを捨て、“変数”として自ら行動を起こす決意を固めていた。

ジャック、ケイト、ダニエルはダーマ・イニシアティヴに対して銃撃戦を仕掛けるが、混乱の中でソーヤーとジュリエットは拘束されてしまう。ダニエルは、スワン・ステーションで起こる「事件」と同時に水素爆弾を爆発させれば、未来そのものを変えられると考える。

爆弾の在り処を探すため「他のものたち」に接触したダニエルは、そこでこの時代にいた母エロイーズ・ホーキングと対面する。しかしエロイーズは彼が自分の息子だと知らぬまま、背後から彼を撃ち、ダニエルは命を落とす。

フラッシュバック(ダン)

フラッシュバックでは、ダニエルと両親であるエロイーズ・ホーキング、チャールズ・ウィドモアとの関係が描かれ、彼の人生そのものが“変えられない運命”に縛られていたことが示される。

第14話のポイント

  • ダンが未来を変える決断をする
  • 水素爆弾で事故を防ごうとする計画
  • 母エロイーズによって撃たれ死亡
No.

「リーダー(Follow the Leader)」

1977年、ダニエル・ファラデーの理論を受け入れたジャックは、水素爆弾を爆発させることで未来を変えられると信じ、その実行を決意する。しかしケイトは過去を消すことに強く反対し、二人の間には決定的な溝が生まれる。

一方、スワン・ステーション建設の危険性を察したチャン博士は、島民を避難させる必要性を訴える。ソーヤー、ジュリエット、ケイトは混乱の中で脱出用の潜水艦に乗り込み、島を離れる選択をする。

2007年では、ロックがリチャードと「他のものたち」と合流し、自らを導く存在として振る舞い始める。彼は島の根源的存在であるジェイコブを殺す目的を掲げ、仲間たちと共に出発する。

この回では、1977年と2007年それぞれで「誰が導くのか」「何を信じるのか」というテーマが強く浮かび上がる。

第15話のポイント

  • ジャックが爆弾起爆を決意
  • 脱出組と残留組が分かれる
  • ロックが指導者として動き出す
No.

「ジェイコブ (The Incident)」

フラッシュバックでは、ジェイコブが島の外で主要キャラクターたちとそれぞれ接触していた過去が描かれる。彼は直接介入することなく、人々の選択を静かに見守る存在であることが示される。

2007年、ロックと「他のものたち」はジェイコブが住むとされる四本指の像へ到着する。像の内部で、ロックはベンの弱さと罪悪感を巧みに刺激し、ジェイコブへの怒りを煽っていく。

一方その頃、像の外ではイラーナたちが「他のものたち」と合流する。彼らが運んできた箱の中にはジョン・ロックの遺体があり、現在島にいるロックが“本物ではない”ことが示唆される。

運命が交錯する中、物語は決定的な瞬間へと向かっていく。

第16話のポイント

  • ジェイコブが人々と関わっていた過去が描かれる
  • 像でロックとベンがジェイコブに接近
  • ロックが偽物である伏線が明示される
No.

「運命の午後(The Incident)」

2007年、像の中でベンはロックにけしかけられる形でジェイコブを殺害する。ジェイコブの死により、島を巡る長い均衡は崩れ去り、新たな局面へと突入する。

1977年では、ジャック、ケイト、ソーヤーらがスワン・ステーション建設現場へ突入する。地下で発生した事故により、強大なエネルギーが解放され、現場は制御不能な状態に陥る。

混乱の中、深い穴へ落下し重傷を負ったジュリエットは、最後の力を振り絞って水素爆弾の起爆装置を作動させる。白い閃光が島を包み込み、物語は衝撃的な形で幕を閉じる。

未来は変えられたのか、それとも歴史は完成したのか――答えは次のシーズンへと持ち越される。

第17話のポイント

  • ベンがジェイコブを殺害する
  • スワン建設現場で事故が発生
  • ジュリエットが爆弾を起爆

登場人物 相関図(シーズン5時点)

※ここでは主要メンバーを中心にシーズン5終了時点までの関係性を整理しています。

LOSTシーズン5_アジラ316便搭乗者
LOSTシーズン5_島に残された者たち

LOST シーズン5 総まとめ(ネタバレあり)

シーズン5は『LOST』全体の中でも、物語の構造そのものを解き明かす転換点となるシーズンである。島を舞台にしたサバイバルドラマから、時間・因果・運命をテーマにしたSF群像劇へと完全に舵を切り、これまで断片的に提示されてきた謎が一気に整理されていく。

最大の特徴は、時間移動の明確化ダーマ・イニシアティヴの時代への介入だ。島に残った生存者たちは1970年代に定着し、過去の出来事が未来を生み出していたという「因果の完成」を体験する。一方、島を離れた者たちは“戻らなければならない理由”を突きつけられ、島との切れない関係性を自覚していく。

ジョン・ロックはこのシーズンで象徴的な役割を担う。島に選ばれた存在として振る舞いながらも、島の外では何一つ成し遂げられず、最終的にはベンに殺される。しかしその死こそが、後に島へ戻るための鍵となり、「島にいるロック」が本物ではないという最大級の違和感を残す結果となった。

また、ベン、サイード、ジャックといった主要キャラクターの行動原理も大きく変化する。ベンは過去の罪と向き合い、サイードは暴力の連鎖から抜け出せず、ジャックは理性よりも“信仰”に近い選択をするようになる。彼らの変化は、島が人の本質を試す場所であることを改めて浮き彫りにした。

シーズン終盤では、ジェイコブという島の象徴的存在がついに姿を現し、そして殺されるという衝撃的な展開が描かれる。同時に、1977年で起きたスワン・ステーションの事故と水素爆弾の起爆が重なり、物語は「未来は変えられたのか?」という最大の問いを残して幕を閉じる。

シーズン5で回収された謎/未回収の謎まとめ

シーズン5は、多くの謎を回収しながらも、最終章に向けて意図的に不安定な状態を作り出したシーズンである。

シーズン5で【回収された謎】

  • 島で起きていた時間移動現象の正体と原因
    ベンが島を動かした際に歯車の軸がずれたことが原因であり、ロックが再び歯車を回すことで現象は停止した。
  • ダニエル・ルソーの調査隊が全滅した経緯
    1988年、煙のモンスターによる襲撃と内部崩壊によって調査隊が壊滅したことが描かれた。
  • シャーロットの正体と島との関係
    幼少期を島で過ごしており、時間移動によって致命的な影響を受けたことが死亡原因だと判明。
  • ベンの人格が形成された決定的な出来事
    少年時代にサイードに撃たれ、「他のものたち」に治療されたことで純真さを失った過去が明かされた。
  • マイルズの能力と出自
    死者と会話できる能力を持ち、チャン博士の息子であることが明確に示された。
  • ロックが島の外で死亡していた事実
    ベンによって殺害されていたことが描かれ、「島にいるロック」が別の存在である伏線が回収された。
  • ジェイコブという存在の実在
    伝説的存在だったジェイコブが実在し、島の均衡を保つ役割を担っていたことが明らかになった。

シーズン5時点で【未回収の謎】

  • ジェイコブを殺した後、島に何が起こるのか
    彼の死がもたらす影響はシーズン6へ持ち越される。
  • “偽物のロック”の正体と目的
    なぜロックの姿をしているのか、その正体は未だ明確にされていない。
  • 島そのものの正体と起源
    島がなぜ特別なのか、その根源的な理由は依然として謎のまま。
  • 煙のモンスターの本質
    裁きの存在であることは示唆されたが、正体や成り立ちは未解明。
  • 水素爆弾は未来を変えたのか
    白い閃光の意味と結果は、次シーズンで明かされる。
  • 生存者たちの運命の行方
    分断された時間軸と人間関係の結末は未確定のまま残されている。

答えを与えるためではなく、問いを明確にするための物語。その全てが、次のシーズン6で語られる“結末”へと直結している。

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