『LOST』シーズン4は、物語が「島の内部」から「島の外の世界」へと本格的に拡張するシーズンである。
シーズン3のラストで描かれたフラッシュフォワード(島を脱出した後の未来)によって、視聴者はすでに知っている。――「脱出はゴールではなかった」という事実を。
シーズン4では、島にやって来た“救助チーム”の正体、島を出られる者/出られない者の選別、時間が壊れ始める島の異変が同時進行で描かれ、『LOST』は完全にSF×群像劇×時間ドラマへと進化する。
本記事では、「LOST シーズン4 あらすじ ネタバレ」を探している方に向けて、
- シーズン4全話のあらすじ(ネタバレあり)
- シーズン4で回収される謎・新たに生まれる謎
- フラッシュフォワードと“オーシャニック6”の意味
を、シーズン3からの流れを踏まえて解説していく。
『LOST』シーズン4 基本情報
『LOST』シーズン4は、2008年に放送された全14話構成のシーズンである。 脚本家組合(WGA)ストライキの影響により話数は短縮されたが、その分密度の高い展開とスピード感が特徴となっている。
物語の中心は、島に到着した「救助チーム」と、生存者たちの間に生まれる深刻な分断また、シーズン3終盤で導入されたフラッシュフォワード構造が本格的に機能し始め、「誰が島を出られたのか」「誰が残ったのか」という謎が物語を牽引する。
シーズン4は、『LOST』が時間と運命を扱う物語へ完全に舵を切ったシーズンである。
シーズン4をより楽しむためのポイント
- 救助は本物か?:島に来た人間たちは、本当に生存者を助けに来たのか
- オーシャニック6の存在:未来で語られる「生存者6人」の正体と意味
- 時間が壊れ始める島:記憶・意識・時間が前後し始め、島そのものが異常をきたす。
登場人物
救助を信じるジャックと、島を守るべきだと主張するロック。
意見の対立は決定的となり、生存者たちは2つのグループに分裂する。
ジャック組(救助隊を信じる)
ロック組(救助隊を信じない)
救助隊(科学班)
他のものたち
ウィドモア産業(貨物船KAHANA号関係者)
その他の登場人物
ダーマ・イニシアティブ
シーズン4 各話あらすじ【全話ネタバレ詳細】
「選択(The Beginning of the End)」
貨物船がペニーのものではないと判明したことで、815便の生存者たちは大きな選択を迫られる。
救助を信じるジャックと、島を守るべきだと主張するロック。
意見の対立は決定的となり、生存者たちは2つのグループに分裂する。
一方ビーチでは、チャーリーの死が正式に伝えられ、ハーリーとクレアは深い悲しみに沈む。
チャーリーの自己犠牲が、本当に救助につながるのかはまだ分からない。
フラッシュフォワード(ハーリー)
島を脱出した後の世界では、ハーリーの視点で未来が描かれる。
彼は精神的に不安定な状態で保護施設におり、医師に対して「死んだ友人が見える」と訴える。
その中でジャック、ケイト、サイードらと共に島を脱出した6人が「オーシャニック6」と呼ばれていることが初めて明かされる。だがその表情からは、救出が決して幸福な結末ではなかったことが強く示唆される。
彼らは「奇跡の生還者」として世間に称賛される一方、島で起きた真実を隠したまま生きている。
- ジャック派とロック派に生存者が分裂
- チャーリーの死が島に重くのしかかる
- 「オーシャニック6」の存在が初めて明かされる
「訪問者たち(Confirmed Dead)」
フランク・ラピーダスが操縦するヘリコプターによって、貨物船の科学チームが島に降下する。
メンバーは物理学者のダニエル・ファラデー、人類学者のシャーロット・ルイス、霊媒師のマイルズ・ストラウムで、それぞれが明確な専門分野と不可解な能力を持っていた。
彼らは島の異常な環境に動揺しつつも、任務を遂行しようとするが、生存者たちは彼らを完全には信用しない。
特にロックは、彼らの存在そのものが島の均衡を壊すと感じ、強い警戒心を抱く。
フラッシュバック(科学チーム)
フランク、ダニエル、シャーロット、マイルズそれぞれの過去が描かれる。
- フランクは、815便は墜落していないと確信していた元パイロット
- ダニエルは時間実験に失敗し、精神的に不安定
- シャーロットは幼少期に島と関わりがある
- マイルズは死者と交信できる能力を持つ
彼らは偶然ではなく、何らかの「選別」を経て貨物船に集められていたことが示され、最後に全員がナオミの元へと集結する場面で締めくくられる。
このチームが単なる救助隊ではないことが明確になる回である。
- 貨物船チームの正体と専門分野が判明
- ダニエルが時間異常の存在を示唆
- 彼らは真実を知らされず島へ来ている
「雇われた男(The Economist)」
ロックのグループは他の生存者と距離を取り、バラックに留まることを選ぶ。サイードは貨物船側と交渉を行い、シャーロットを解放する代わりに島から脱出させるという約束をフランクと交わす。しかしその裏で、サイードはマイルズを捕らえ、彼をロックのグループに置き去りにするという大胆な判断を下す。
サイード、デズモンド、フランクはヘリコプターで貨物船へ向かい、ついに島の外部と直接接触することになる。
一方、島に残されたロックは、貨物船側の真の目的が生存者の救出ではないと確信を強めていく。
フラッシュフォワード(サイード)
フラッシュフォワードでは、オーシャニック6の1人となったサイードの未来が描かれる。
島を脱出した後、サイードはベンの指示のもと世界各地で暗殺を行う冷酷な殺し屋として生きていることが明かされる。
彼は標的を始末しながらも、自分が進んでいる道に強い葛藤を抱いている。
- サイードの交渉と裏取引
- ヘリコプターで貨物船へ向かう初の移動
- サイードの未来が「暗殺者」であることが判明
「証言(Eggtown)」
ロックのグループが滞在するバラックでは、貨物船から来たマイルズの存在が不穏な空気を生んでいた。
ケイトはマイルズを問い詰め、彼が「島の生存者について、死者から金を受け取って情報を集めている」こと、そして自分自身についても詳しい情報を知っていることを聞き出す。
マイルズはケイトの過去の犯罪や、彼女が殺人を犯したことまで把握していた。
この件を知ったロックは、ケイトがトラブルの原因になると判断し、彼女をグループから追放する。ケイトはやむなくバラックを離れ、ジャックたちがいるビーチへ戻ることになる。
フラッシュフォワード(ケイト)
一方フラッシュフォワードでは、島を脱出した後のケイトの人生が描かれる。
ケイトは過去の犯罪に関する裁判を受けており、検察からは重い罪を問われているが、陪審の判断によって比較的軽い判決が下される。
またこの未来の時間軸で、ケイトはクレアの息子アーロンを自分の子どもとして育てていることが明かされる。
ケイトは周囲に対し、アーロンを「自分の息子」だと紹介し、母親として振る舞っている。しかしその様子からは、罪悪感や不安、そして島に残してきたクレアへの想いが強く滲み出ている。
このエピソードは、ケイトが「逃げ続ける女」から「何かを守ろうとする存在」へ変化していく過程と同時に、オーシャニック6が真実を隠して生きている現実を強く印象づける回となっている。
- ケイトはロックによりグループを追放される
- 脱出後、ケイトは裁判を受けている
- ケイトはアーロンを育てている
「定数(The Constant)」
貨物船に到着したデズモンドは、突然激しい意識障害に襲われる。
彼の意識は現在の2004年と、島に来る前の1996年を行き来するようになり、時間軸が断続的に入れ替わってしまう。
この現象により、デズモンドは現実と過去の区別がつかなくなり、命の危険にさらされる。
1996年の時間軸で、デズモンドはオックスフォード大学にいる若き日のダニエル・ファラデーと出会う。
ダニエルはこの時間移動が極めて危険な状態であると説明し、意識が崩壊すれば死に至ると警告する。
そしてこの現象を止めるためには、「過去と未来の両方で強く結びついている存在」、すなわち“定数”が必要だと告げる。
ダニエルは、その定数としてペニー・ウィドモアの存在を示唆する。
1996年のデズモンドは必死にペニーを探し出し、将来のある日、自分から電話がかかってくることを伝える。一方、2004年のデズモンドは貨物船の通信設備を使い、ペニーに連絡を試みる。
時間が迫る中、ついに2004年のデズモンドと1996年のペニーの電話が繋がる。
ペニーは約束を信じて電話番号を変えずに待ち続けており、デズモンドの意識はこの通話をきっかけに安定を取り戻す。こうして彼は死の運命を回避し、時間の狭間から生還する。
このエピソードは、LOST全体の中でも屈指の名編とされており、「愛」が時間や運命すら超えるというテーマを強烈に印象づける回となっている。
- デズモンドの意識が1996年と2004年を行き来する
- ダニエルが現象を止める「定数」の存在を示す
- ペニーとの通話でデズモンドは救われる
「許されぬ関係(The Other Woman)」
ダニエルとシャーロットは、ジャックやロックに断りなく行動を起こし、ジャングル奥にあるダーマ・イニシアティブの発電ステーション「テンペスト」へ向かう。
彼らの目的は、島に充満する可能性のある致死性ガスの存在を確認し、それを無力化することだった。
ジャックとジュリエットは2人の行動を察知し、後を追ってテンペストへ辿り着く。
そこでダニエルは、ガスがすでに不活性化されていることを確認し、現在は危険がない状態であると説明する。ダニエルは、貨物船側が島の人間を皆殺しにするつもりではないと示唆するが、真意は依然として不明なままである。
一方、ロックに捕らえられているベンは、島の外にいる敵対者チャールズ・ウィドモアの存在を語る。
ウィドモアは島を取り戻そうとしており、貨物船も彼の指示によって派遣された可能性が高いことが明かされる。
フラッシュバック(ジュリエット)
フラッシュバックでは、ジュリエットが他のものたちの一員だった頃の出来事が描かれる。
ジュリエットはベンから特別扱いされており、それにより他の女性たちから反感を買っていた。
彼女の恋人グッドウィンは、ベンの命令によって生存者キャンプへの潜入任務に就き、その過程で命を落とす。さらにグッドウィンの妻ハーパーは、ベンがジュリエットに執着していることを見抜き、彼女に敵意を向けていた。
このエピソードは、ジュリエットとベンの歪んだ関係性、そして貨物船の真の脅威が誰に向けられているのかを浮かび上がらせる回となっている。
- ダニエルとシャーロットが発電ステーションでガスを無力化する
- ベンが島の敵としてウィドモアの存在を語る
- フラッシュバックでジュリエットとベンの歪んだ関係
「ジヨン(Ji Yeon)
ジンとサンは、ジャックのグループを離れ、ロックのグループに加わる意向を示す。
しかしそれを知ったジュリエットは、サンが過去に不倫をしていた事実をジンに告げてしまう。突然の告白により、夫婦の関係は深刻な緊張状態に陥る。
一方、貨物船ではデズモンドとサイードが、ナオミが以前語っていたオーシャニック815便の残骸と遺体に関する詳細を聞かされる。
それは、乗客全員が死亡した状態で海底から発見されたという公式発表の裏付けとなる内容であり、生存者たちは自分たちの存在が完全に隠蔽されている現実を改めて突きつけられる。
フラッシュバック(ジン)フラッシュフォワード(サン)
このエピソードは、フラッシュバックとフラッシュフォワードが巧妙に交錯する構成となっている。
フラッシュバックでは、島に来る前のジンが義父の会社で働き、非情な仕事を強いられていく過程が描かれる。
一方フラッシュフォワードでは、オーシャニック6の一員となったサンが出産する場面が描かれ、彼女が母親となった未来が示される。
物語の終盤で、ジンの現在の時間軸が実は島での過去であり、サンの出産シーンは脱出後の未来であることが明らかになる。
ジンが出産に立ち会っていない理由は、彼が島に残されているためであり、夫婦が離れ離れになっている事実が強く印象づけられる回となっている。
- ジュリエットがサンの不倫をジンに告げ、夫婦関係が崩れる
- 貨物船で815便全員死亡という偽装が明確になる
- フラッシュフォワードでサンが出産し、ジン不在の理由が示される
「贖罪(Meet Kevin Johnson)」
- デズモンドに未来予知の能力があると確定
- チャーリーの死が繰り返し示唆される
- デズモンドの力はハッチ爆縮が原因
「ルール(The Shape of Things to Come)」
貨物船内でサイードとデズモンドは、ベンの密命を受けて船に潜り込んでいる男と接触する。
その正体は、かつて仲間を裏切り島を去ったマイケルだった。
マイケルは「ケヴィン・ジョンソン」と名乗り、貨物船のエンジニアとして働いているが、実際には船の計画を妨害するためにベンのスパイとして行動していた。
一方島では、ベンが娘アレックスの身の安全を最優先し、彼女をカールとルソーと共に「島で唯一安全な場所」とされるテンプルへ向かわせる。
しかし道中でウィドモアの部下たちによる襲撃を受け、カールは射殺され、さらに救援に来たダニエルも銃撃を受けて命を落とす。
アレックスは衝撃を受け、ベンの選択が最悪の結果を招いたことが明らかになる。
フラッシュバック(マイケル)
フラッシュバックでは、島を脱出した後のマイケルの運命が描かれる。
彼は罪悪感から何度も自殺を図るが、なぜか死ぬことができない。
その後、他のものたちと再会し、ベンから「島を守るために償いを果たせ」と命じられる。そしてマイケルは貨物船に潜入し、爆破計画を阻止する役目を担うことになる。
このエピソードは、裏切りの代償、父と子の関係、そして「島が人を簡単には死なせない」という運命の力を強く印象づける回となっている。
- ベンは煙のモンスターを召喚し、敵を一掃する
- ウィドモアの部下によりアレックスが射殺される
- ベンは島を動かす決断を固める
「父の影(Something Nice Back Home)」
ソーヤー、マイルズ、クレアは、危険が高まるバラックを離れ、ビーチの生存者キャンプへ向かって移動する。
移動の途中、夜のジャングルでクレアは亡くなったはずの父クリスチャンの姿を目にする。彼に導かれるようにしてクレアは姿を消し、翌朝、赤ん坊のアーロンだけが置き去りにされているのが発見される。
クレアは生死不明となり、島の不可解さが改めて強調される。
一方ビーチでは、ジャックが突然激しい腹痛に襲われ、虫垂炎と診断される。
医師である彼自身が倒れたことで、キャンプは混乱に陥るが、ジュリエットとサンを中心に、生存者たちは協力して手術を行う。十分な設備のない中での手術は成功し、ジャックは一命を取り留める。
フラッシュフォワード(ジャック)
フラッシュフォワードでは、島を脱出した後のジャックとケイトの関係が描かれる。
2人は一度は婚約し、結婚を約束するが、ジャックは次第に精神的に不安定になり、薬物やアルコールに依存するようになる。
島で起きた出来事と、置いてきた人々への罪悪感に耐えられなくなったジャックは、最終的にケイトとの関係を壊してしまう。
このエピソードは、島での「救われる命」と、島を出た後に壊れていく人生を対比させ、脱出が必ずしも幸福ではないことを強く示す回となっている。
- クレアが姿を消し、アーロンだけが残される
- ジャックが虫垂炎で倒れるが救われる
- 脱出後、ジャックとケイトは破局する
「奇跡の子(Cabin Fever)」
ロックは島で見たビジョンを手がかりに、ジェイコブのキャビンの正確な位置に関する新たな情報を得る。彼はベンとハーリーを伴い、島の奥深くへ向かって移動を始める。ロックは自分こそが島に選ばれた存在だと確信を強めていく。
一方、貨物船では緊張が限界に達していた。ウィドモアの傭兵たちは計画を加速させ、船内で反乱を起こす。彼らの目的が島の生存者の救出ではなく、完全制圧であることがより明確になる。
フラッシュバック(ロック)
フラッシュバックでは、ロックの人生における重要な過去が描かれる。
ロックは若い頃から何度も謎の男リチャード・アルパートと接触しており、彼は常にロックが「特別な存在」であるかを確かめるような言動を取っていた。
これにより、ロックと島との因縁が墜落以前から始まっていたことが明かされる。
このエピソードは、ロックが運命に導かれて島へ来たというテーマを決定づけ、物語が終盤へ向かう転換点となる回である。
- ロックがジェイコブのキャビンを探し始める
- 貨物船で傭兵たちが反乱を起こす
- ロックとリチャードの過去の接触が明かされる
「オーシャニック6(There’s No Place Like Home (Part 1))」
生存者のうち6人がボートで貨物船へ向かうが、船内で大量の爆発物が仕掛けられていることが判明し、状況は一気に緊迫する。貨物船が救出ではなく、破壊を前提とした計画の一部であることが明確になる。
一方島では、ベンがウィドモアの傭兵たちに自ら降伏する。ベンは冷静さを保ちながらも、島を守るために自分が何をすべきかを見極めようとしている。同じ頃、ケイトとサイードはジャングルで他のものたちと遭遇し、島の主導権を巡る対立は最終局面へと近づいていく。
フラッシュフォワード(オーシャニック6)
フラッシュフォワードでは、島を脱出し「オーシャニック6」となった生存者たちが、世間に戻って最初に取った行動が描かれる。
彼らは英雄として扱われる一方で、島の真実を隠すために口裏を合わせ、同じ嘘を生きていく決意を固める。それぞれの表情からは、助かった安堵よりも重い罪悪感と不安が滲み出ている。
このエピソードは、救出目前で希望と絶望が交錯し、オーシャニック6の「嘘の始まり」を描いた重要な回となっている。
- 貨物船に爆発物があると判明
- ベンが傭兵に降伏する
- オーシャニック6の嘘が始まる
「基地オーキッド(There’s No Place Like Home (Part 2))」
ケイト、サイード、ジュリエットらは、島に侵入してきたウィドモアの傭兵たちと交戦し、次々と倒していく。その混乱の中で、捕らえられていたベンは解放される。ベンはロックと合流し、島を守るための「最終手段」を実行する決意を固める。
ロックはベンに導かれ、島の地下深くにある秘密の場所へ向かう。そこには島のエネルギーの源とも言える装置があり、ベンはそれを使って「島を動かす」計画を進める。一方その頃、貨物船では爆発の危険が迫り、生存者たちは脱出手段を探して混乱に陥っていく。
島では、傭兵たちとの戦いが続く中で、多くの生存者が散り散りになり、島と貨物船の両方で事態は取り返しのつかない段階へ進んでいく。
- 傭兵との戦闘が激化
- ベンとロックが島を動かす準備を進める
- 貨物船の崩壊が迫る
「帰還(There’s No Place Like Home (Part 2))」
ベンは地下の装置を作動させ、「島を動かす」ことに成功する。その代償としてベン自身は消息不明となり、島は激しい光と揺れの中で別の場所へ移動する。これによりウィドモアの計画は阻止されるが、島に残された人々は未知の運命へと放り出される。
一方、貨物船ではついに爆発が起こる。マイケルは船内に残り、爆発と共に命を落とすことで、島の仲間たちを救う。ヘリコプターで脱出したジャック、ケイト、サイード、ハーリー、サン、アーロン、デズモンド、フランクは、海上でペニー・ウィドモアの船に救出される。
フラッシュフォワード(オーシャニック6)
フラッシュフォワードでは、島を脱出した「オーシャニック6」と、その後に姿を現したロックの存在が描かれる。
ロックは島に残された者たちの代表として現れ、「島に戻らなければならない」と主張するが、彼の言葉に対する反応はそれぞれ異なる。特にウォルトは、ロックの出現に強い動揺を見せる。
シーズン4は、脱出=救いではないこと、そして島の物語がまだ終わっていないことを強烈に示し、次なる時間跳躍と運命の物語へと繋がっていく。
- 島が移動する
- 貨物船が爆発する
- オーシャニック6が救出される
登場人物 相関図(シーズン4時点)
※ここでは主要メンバーを中心にシーズン4終了時点までの関係性を整理しています。

LOST シーズン4 総まとめ(ネタバレあり)
シーズン4は、「救出」と「裏切り」を軸に物語が一気に加速する転換点のシーズンである。
貨物船の来訪によって島は外界と直接つながり、生存者たちは島を出る者/島を守る者に分裂していく。
最大の特徴は、これまでのフラッシュバックに代わりフラッシュフォワードが本格導入された点だ。
島を脱出した“オーシャニック6”の未来が断片的に描かれ、「脱出=幸福ではない」ことが明確になる。
貨物船の真実と新キャラクター
貨物船は救助目的ではなく、チャールズ・ウィドモアによる島奪取作戦の一環だった。
物理学者ダニエル、人類学者シャーロット、霊媒師マイルズ、操縦士フランクらは、それぞれ事情を抱えつつ島に関与していく。
特にダニエルの存在は、時間のズレ・定数・因果律といったSF要素を一気に物語の中核へ押し上げた。
対立する2人のリーダー
- ジャック:脱出を選び、現実的な判断を重視
- ロック:島に選ばれたという運命を信じ、島を守ろうとする
2人の対立は決定的となり、最終的にロックとベンは「島を動かす」という禁断の選択に踏み切る。
オーシャニック6の誕生
最終的に島を脱出できたのは以下の6人。
- ジャック
- ケイト
- サイード
- ハーリー
- サン
- アーロン
彼らは真実を隠し、「全員死亡していた」という公式発表を受け入れる。
しかしフラッシュフォワードで描かれる彼らの姿は、罪悪感・後悔・破綻に満ちており、島を出たことが正解だったのかという疑問を強く残す。
シーズン4の核心テーマ
- 救出は希望ではなく、さらなる悲劇の始まり
- 時間は一定ではなく、歪み、干渉できる
- 島は「場所」ではなく、意志を持つ存在
シーズン4は、物語をサバイバルから運命と時間の物語へ完全に移行させ、次のシーズンで描かれる「時間跳躍」と「島の正体」への扉を開いた重要な章である。
この先、LOSTはさらに理解が難しく、そして魅力的な世界へと踏み込んでいく。
シーズン4で回収された謎/未回収の謎まとめ
シーズン4では多くの疑問に答えが示される一方で、物語の核心に関わる謎は意図的に残された。
ここでは「このシーズンで明確になったこと」と「次シーズン以降へ持ち越された謎」を整理する。
シーズン4で【回収された謎】
- 貨物船の目的
救助ではなく、チャールズ・ウィドモアによる島奪取作戦であることが判明する。 - 815便残骸の正体
海底で発見されたのは偽物であり、生存者の存在は意図的に隠蔽されていた。 - オーシャニック6の正体
ジャック、ケイト、サイード、ハーリー、サン、アーロンの6人であることが明かされる。 - デズモンドの能力の仕組み
時間のズレは「定数」によって安定できることが示され、ペニーがその存在であると判明する。 - ベンとウィドモアの関係性
2人が島を巡って長年対立してきた宿敵であることが明確になる。
シーズン4時点で【未回収の謎】
- 島はなぜ動くのか、どういう原理なのか
島を移動させる装置の正体や力の源は説明されていない。 - ジェイコブの正体と役割
名前は語られるが、その存在の本質は依然として謎のままである。 - 煙のモンスターの正体
操れる存在であることは示唆されるが、正体や目的は不明。 - 時間のズレが島で起こる理由
なぜ島だけが時間に影響を与えるのかは未解明。 - 島に残った生存者たちの運命
ロック、ソーヤー、クレアらがこの後どうなるのかは描かれていない。
シーズン4は「多くを明かしつつ、核心は伏せる」構成となっており、次のシーズンで展開される時間跳躍と島の本質への助走として機能している。









































